太陽はどうして東からのぼるの?

公開:2026-08-29 更新:2026-08-29 読了 約6分

図解

1 STEP 1 地球が西から東へ自転している 2 STEP 2 一日に一回、地軸のまわりを一回転する 3 STEP 3 地面ごと観測者の向きが変わっていく 4 STEP 4 東の地平線から太陽が現れる 5 STEP 5 南中して太陽の高度が最も高くなる 6 STEP 6 西の地平線へ太陽が沈んでいく

図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)

動いているのは太陽ではなく、地球が西から東へ自転しているから。

朝、太陽は東の空からのぼり、夕方には西の空へしずんでいきます。夜空をながめると、月も星も同じように東から出て西へしずみます。これを日周運動にっしゅううんどうといいます。国立科学博物館こくりつかがくはくぶつかんの解説によると、日周運動は地球が西から東へ一日に一回自転じてんしているために起こります。つまり、太陽や月や星が動いているのではありません。地球のほうがまわっているので、そのように見えるのです。電車に乗ったときのことを思い出してください。本当は自分が動いているのに、外の景色のほうが動いて見えますね。それとよくにています。では、地球がまわっているのに、どうしてわたしたちは立っていられるのでしょう。強い風も感じません。これも電車の中と同じ理由です。乗っている人は、電車やその中の空気といっしょに動いているからです。地球の自転の速さは、赤道せきどうの上では毎秒465メートルにもなります。それでも人も空気も海も、みんな地球といっしょにまわっています。だからわたしたちは、その速さに気づかないのですよ。

「太陽がのぼる」という言い方は、実は視点のねじれを含んでいる。動いているのは足元の大地のほうだ。国立科学博物館は、太陽も月も星も東から出て西へ沈むこの日周運動を、地球が西から東へ一日に一回自転しているために起こる現象だと説明する。天が回っているのではなく、観測者ごと地面が回っている。国立天文台によれば、地球は北極と南極を結ぶ軸のまわりを一日に一回転しており、それを止める向きの力が働かないため、自転の速さはほとんど変化しない。慣性の法則が、この巨大なコマを何十億年も回し続けている。おもしろいのは、回転の速さが日常の感覚から完全に隠れていることだ。赤道上の自転速度は毎秒465メートルに達するが、人も空気も海もその速度を共有しているため、体感としては完全な静止と区別がつかない。窓のない電車に乗り続けているようなものなのだ。

仕組みの科学

太陽が東から出て西へ沈む理由は、地球の自転という一点に集約される。国立科学博物館の解説は、太陽だけでなく月も星も同じように東から出て西へ沈むと述べ、これを日周運動と呼んでいる。そして日周運動は、地球が西から東へ一日に一回自転しているために起こると明記する。つまり見かけの動きの向きは、自転の向きの裏返しである。国立天文台も、地球は北極と南極を結ぶ軸のまわりを一日に一回転しており、この回転を自転というと説明している。ここで多くの人が引っかかるのが、なぜ回転を感じないのかという問題だ。国立科学博物館はこれを電車のたとえで説明する。電車の乗客は電車やその中の空気と同じ速度で動いているので、立っていることができ、強い風を感じることもない。地球でも同じで、自転速度は赤道上で毎秒465メートルにもなるが、地球の上の人間も空気も海もみんな地球と同じ速度でまわっているため、私たちはそれを感じることはない。さらに、回転軸である地軸に注目すると別の景色が見えてくる。同解説によれば、地軸を北にずっとのばした方向にある星が北極星であり、北極星やその近くの星はいくらまわっても地平線まで下がることがない。こうした星は周極星と呼ばれる。東から出て西に沈む星と、沈まない星。どちらも同じひとつの回転が生んだ姿なのだ。

歴史と発見

毎朝東から太陽が現れるという事実は、人類が最初に手にした確実な周期のひとつだった。だが「なぜ回り続けるのか」に答えるには、力の考え方が必要になる。国立天文台の解説はここを丁寧に扱っている。地球もコマと同じように回転をしているが、机の上に乗っているわけではなく、他の物体とは接触することなく回っている。そして、回転運動も含めてすべての運動は、それを妨げる力が働かない限り、同じ運動状態がずっと続く。これが慣性の法則である。太陽や月や、他の惑星などの力は地球に働いているが、どの力も地球の回転を止める方向の力ではないために、自転の速さはほとんど変化しない。摩擦のない空間に置かれたコマ、というイメージが実態に近い。もうひとつ、素朴な感覚が裏切られる例を国立天文台暦計算室が挙げている。ある地点の東西の方向を、同じ緯度を結んだ緯線が表していると誤解する人は多い。しかし地球は丸く、ある地点での南北は経線の方向、東西はそれに垂直な方向として定義される。この違いを踏まえると、春秋分の日にはどこから見ても太陽はほぼ真東の方向に見えるという結論が導かれる。素朴な観察を、球面という舞台の上で組み直す作業が、天文学の出発点だった。

もう一歩先

「太陽は東からのぼる」は正しいが、厳密には毎日少しずつ場所がずれている。国立天文台暦計算室は、どこから見ても春秋分には太陽はほぼ真東の方向に見えると説明する。裏を返せば、真東に近づくのは春分と秋分のころだけで、それ以外の季節には北寄りや南寄りにずれていく。秋の観察には、もうひとつ味わい深い手がかりがある。同暦計算室は、日の出入り時刻の変化が季節によって対称にならないことを指摘し、秋の日の入りの時刻は急速に変化すると述べている。「秋の陽はつるべ落とし」という言い回しは、この非対称を言い当てていたわけだ。理由は二つの効果の重ね合わせにある。季節により太陽の南中高度が変化し、同時に南中時も変化する。南中高度が高くなれば日の出は早く日の入りは遅くなり、南中時が早くなれば日の出も日の入りも早くなる。この二つを総合したものが、日の出入りの最も早い日・遅い日を決めている。だから日の入りが最も早くなるのは冬至の十日前くらいで、冬至や夏至はピークにならない。手を動かす観察としては、同じ窓から見える日の出の位置に印をつけ、一週間ごとに比べるのが最も分かりやすい。回っているのは自分のほうだ、という感覚が少しずつ育ってくる。

🌱 ためしてみよう!3択クイズ

本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。

Q1. 太陽が東からのぼって見えるのはどうして?
こたえ:地球が西から東へ回っているから
国立科学博物館の解説では、太陽も月も星も東から出て西へ沈む日周運動は、地球が西から東へ一日に一回自転しているために起こるとされています。動いているのは太陽ではなく、わたしたちが立っている地球のほうなのです。
Q2. 地球が回っているのに強い風を感じないのはなぜ?
こたえ:空気も人も地球といっしょに動いているから
国立科学博物館は電車のたとえで説明しています。乗客は電車やその中の空気と同じ速度で動いているので立っていられます。地球でも人も空気も海もみんな同じ速度でまわっているため、その速さを感じないのです。
Q3. 北極星のように、いつまでも沈まない星をなんという?
こたえ:周極星
国立科学博物館によると、地軸を北にずっとのばした方向にある星が北極星です。北極星や北極星の近くの星は、いくらまわっても地平線まで下がることはありません。このような星を周極星といいます。

👤 大人のちょっとした雑学

秒速465メートルで移動中

国立科学博物館によれば、地球の自転速度は赤道上では毎秒465メートルにもなる。にもかかわらず誰も吹き飛ばされないのは、人間も空気も海もその速度を共有しているからだ。相対的に静止していれば、途方もない高速も体感からは消える。

地球は接触せずに回るコマ

国立天文台は、地球もコマと同じように回転しているが、机の上に乗っているわけではなく他の物体とは接触することなく回っていると説明する。他の天体の力は働いても、どれも回転を止める向きではない。だから自転の速さはほとんど変化しない。

「緯線が東西」は誤解である

国立天文台暦計算室は、同じ緯度を結んだ緯線が東西の方向を表していると誤解する人が多いと指摘する。実際にはある地点の南北は経線の方向、東西はそれに垂直な方向だ。この違いを踏まえると、春秋分にはどこから見ても太陽がほぼ真東に見える理由が分かる。

🔬 とことん深掘り:読書ガイド

読み順ガイド(やさしい→専門)

  1. 星と星座の図鑑(児童向け・季節の星空編)
    まず夜空の見かけの動きを身体で覚える段階。東から西への日周運動と、沈まない北の星の対比を先に頭に入れておくと、以降の座標系の議論が具体像を伴う。
  2. 天文学入門(一般向け新書)
    自転と公転を分けて考える枠組みを得る。見かけの運動を観測者の座標系の問題として整理できるようになり、季節変化の話題に橋がかかる。
  3. 球面天文学・位置天文学の教科書
    赤道座標と地平座標の変換を扱う段階。日の出入りの方位や南中高度が緯度と赤緯の関数として導けることを、式のレベルで確認できる。
  4. 暦法・時刻制度に関する専門書
    南中時刻の変化や均時差など、暦計算室の記述の背後にある理論を体系的に押さえる。実務としての暦編纂の歴史にも接続する。

さらに進む方向

  • 国立天文台暦計算室のこよみの計算で自宅の緯度経度を入力し、日の出入りのグラフを自作して非対称性を確かめる
  • アナレンマの撮影に挑戦し、南中時刻の変化と南中高度の変化を一枚の写真として可視化する
  • 地球の自転速度の長期変化(潮汐摩擦・うるう秒)に関する国立天文台の資料をたどる
  • 球面三角法を用いて、任意の緯度における日の出方位角を自力で導出する
  • 歳差・章動が座標系に与える影響を、暦計算室のトピックス記事から追いかける

もっと詳しく:しくみのながれ

  1. STEP 1
    地球が西から東へ自転している
  2. STEP 2
    一日に一回、地軸のまわりを一回転する
  3. STEP 3
    地面ごと観測者の向きが変わっていく
  4. STEP 4
    東の地平線から太陽が現れる
  5. STEP 5
    南中して太陽の高度が最も高くなる
  6. STEP 6
    西の地平線へ太陽が沈んでいく
  7. STEP 7
    地軸の近くの星は沈まず周極星になる

ことばのメモ

自転
地球が自分の軸を中心に回ること
日周運動
星や太陽が一日で空を回る動き
地軸
北極と南極を結ぶ回転の軸
周極星
一年中しずまない北の星
南中
太陽が真南で一番高くなること

よくある質問

動いているのは太陽と地球のどっち?
地球のほうです。国立科学博物館は、太陽や月や星が動いているのではなく、地球のほうがまわっているためにそのように見えると説明しています。
地球が回っているのに、どうして風を感じないの?
電車の中と同じです。国立科学博物館によると、乗客は電車やその中の空気と同じ速度で動いているので、立っていられ、強い風も感じないのです。
地球の自転はどれくらいの速さなの?
国立科学博物館によれば、地球の自転速度は赤道上では毎秒465メートルにもなります。人も空気も海も同じ速度でまわっています。
地球はどうして止まらずに回り続けるの?
国立天文台は、回転運動も含めすべての運動は妨げる力が働かない限り続くと説明します。これを慣性の法則といい、自転の速さはほとんど変わりません。
太陽はいつも真東からのぼるの?
いいえ。国立天文台暦計算室によると、どこから見ても春秋分には太陽はほぼ真東の方向に見えます。季節が変わると位置もずれていきます。

学びのタネ

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家でできること

  • 同じ窓から見える日の出の位置に印をつけて、一週間ごとにどれだけずれたか比べてみよう。
  • 秋分の日の朝に方位磁針を持って、太陽がほぼ真東から出るかどうかを自分の目でたしかめよう。
  • 北の空を三十分おきに写真にとり、北極星のまわりで星がどう動くか記録してみよう。

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出典・参考文献

  1. 国立科学博物館宇宙の質問箱 地球編 Q4.太陽はなぜ東から出て西へ沈むのですか? 参照 2026-08-29
  2. 国立天文台地球はどうして回り続けているの? 参照 2026-08-29
  3. 国立天文台暦計算室暦Wiki/地球/東と西 参照 2026-08-29
  4. 国立天文台暦計算室暦Wiki/日の出入りと南中/日の出入りの季節変化 参照 2026-08-29

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