図解
図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)
気持ちが動いたサイン。うれしい時だけでなく、緊張や警戒でもふるんだ。
公園で犬に会うと、しっぽをぶんぶんふっていることがありますね。犬はどうして、しっぽをふるのでしょう。
しっぽをふるのは、犬の気持ちが動いているサインです。よく「うれしいからふる」といわれますが、じつはそれだけではありません。きんちょうしているときや、けいかいしているときにも、犬はしっぽをふることがあるのです。だから、しっぽをふっているからといって、いつも「なかよくしたい」とはかぎりません。ふり方や、体全体のようすをよく見ることが大切です。
犬は、しっぽだけでなく、顔や体でも気持ちをあらわします。東京大学の研究では、犬が好きなものを見たとき、口もとや耳の動きに気持ちがあらわれることが分かりました。犬は、とても表情ゆたかな動物なのですね。
また、麻布大学の研究では、いっしょにくらす飼い主と犬の心が、たがいにひびき合うことも分かってきました。長くいっしょにいるほど、気持ちが通じ合いやすくなるのだそうです。
おもしろいことに、イタリアの研究では、うれしいときは右寄りに、いやなときは左寄りにしっぽがふれる、という報告もあります。犬のしっぽは、言葉のかわりに気持ちをつたえる、大切なアンテナなのかもしれませんね。
犬がしっぽをふるのは、感情が動いているサインである。「しっぽふり=喜び」と単純に思われがちだが、実際にはうれしいときだけでなく、緊張や警戒、興奮といったさまざまな感情でもしっぽは動く。だから、ふっているかどうかだけでなく、ふり方や耳・姿勢など体全体の様子から気持ちを読みとることが大切だ。犬は表情の豊かな動物で、東京大学の研究では、好きなものを見たときに口もとや耳に特徴的な動きが現れることが同定されている。さらに麻布大学の研究では、ともに暮らす飼い主と犬のあいだで心拍の変化が同調し、飼育期間が長いほどその同調が強まることが示された。犬はヒトに共感する力をもつというわけだ。近年イタリアの研究では、犬がポジティブな感情のときはしっぽが右寄りに、ネガティブな感情のときは左寄りに振れると報告され、話題を呼んだ。しっぽは、犬の心をのぞく小さな窓なのである。
仕組みの科学
犬がしっぽをふるのは、体の中で動いている感情が外に表れたものだ。犬は群れで暮らす動物で、仲間と気持ちを伝え合うために、体のいろいろな部分を使って合図を送る。しっぽはその代表的な発信装置で、高く立てる、低く下げる、大きく振る、小さく振るといった動きが、それぞれ異なる心の状態と結びついていると考えられている。ここで大切なのは、しっぽの動き=喜びと決めつけないことだ。緊張や警戒、興奮のときにもしっぽは振れるため、耳や姿勢、口もとなど体全体のサインとあわせて読みとる必要がある。東京大学の研究グループは、犬が好きなものを見たときの表情を分析し、「唇の分離」「顎の下がり」「舌出し」「耳の内側への動き」といった特徴を同定した。犬が感情ゆたかに、しかも細やかに気持ちを表す動物であることが、科学的にも確かめられつつある。しっぽは、その豊かな表現のひとつの窓口なのであり、犬を理解する手がかりのひとつにすぎないことも忘れてはならない。
歴史と発見
犬のしっぽの振り方をめぐっては、近年おもしろい研究が相次いでいる。イタリアの大学の研究チームは、犬にさまざまなものを見せて、しっぽがどちらへ振れるかを詳しく観察した。その結果、大好きな飼い主を見たようなポジティブな感情のときは、しっぽがやや右寄りに振れ、逆に苦手な相手を見たようなネガティブな感情のときは、左寄りに振れる傾向があると報告された。これは、脳の左右で役割が異なることと関係すると考えられている。ただし、こうした左右差はあくまで研究で「報告されている」段階であり、すべての犬にそのままあてはまると決めつけることはできない。いっぽう日本でも、麻布大学の研究グループが、ともに暮らす飼い主と犬の心拍の変化がたがいに同調し、飼育期間が長いほどその同調が強くなることを明らかにした。犬はヒトに共感する力をもつというのだ。しっぽの動きから心拍のリズムまで、犬とヒトが気持ちを通わせるしくみが、少しずつ科学の手で解き明かされてきている。
もう一歩先
犬のしっぽや表情を読みとることは、犬とよりよくつき合うための第一歩になる。しっぽを大きく振っていても、体がこわばっていたり、耳がうしろにたおれていたりすれば、それは「うれしい」ではなく「こわい」「きんちょうしている」のサインかもしれない。だからこそ、しっぽだけを見て「よろこんでいる」と早合点せず、全身のようすをていねいに観察することが大切だ。相手の気持ちを勝手に決めつけず、犬が出しているいくつものサインを重ねて読みとる——これは、人と人とのつき合いにも通じる姿勢だろう。同じように、ネコがのどを鳴らす「ゴロゴロ」も、気持ちを伝えるサインとして知られている。動物たちは、言葉を使わないかわりに、体のあちこちを使って心を表している。その小さな合図に気づけるようになると、身近な動物とすごす時間は、ぐっと豊かで、おだやかなものになる。そして、犬が今どんな気持ちなのかに思いをめぐらせることは、生きものへのやさしさや想像力を育てる、よい練習にもなるだろう。犬のしっぽは、そんな「言葉のない会話」への入り口なのである。
🌱 ためしてみよう!3択クイズ
本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。
Q1. 犬がしっぽをふるのは、どんなときでしょう?
Q2. 犬の気持ちを読みとるには、どうするのがよいでしょう?
しっぽを大きくふっていても、体がこわばっていたり耳がうしろにたおれていたりすれば、こわいサインかもしれません。全身のようすをあわせて見ることが大切です。
Q3. イタリアの研究で報告された、うれしいときのしっぽのふれ方は?
イタリアの研究では、うれしいなどポジティブな気持ちのとき右寄りに、いやなときは左寄りにふれると報告されています。ただし、すべての犬に当てはまると決まったわけではありません。
👤 大人のちょっとした雑学
しっぽの右振り・左振り
イタリアの研究で、犬はポジティブな感情のとき右寄りに、ネガティブな感情のとき左寄りにしっぽを振ると報告された。脳の左右で役割が異なることと関係すると考えられている。ただし、すべての犬に当てはまると確定したわけではない。
犬は表情ゆたかな動物
東京大学の研究では、犬が好きなものを見たとき「唇の分離」「顎の下がり」「舌出し」「耳の内転」といった表情が同定された。犬はしっぽだけでなく、顔でも細やかに気持ちを表している動物なのだ。
飼い主と心拍が同調する
麻布大学の研究では、ともに暮らす飼い主と犬の心拍変化が同調し、飼育期間が長いほど同調が強まることが示された。犬がヒトに共感する力をもつことをうかがわせる成果である。
🔬 とことん深掘り:読書ガイド
読み順ガイド(やさしい→専門)
- 犬の気持ちや行動をあつかった子ども向けの図鑑
しっぽや表情のサインを絵で見て、犬が気持ちを体で表すことをつかむ。 - イヌの行動や心をあつかった一般向けの科学書
犬の感情表現やヒトとの関係を、研究の例とともに平易に学ぶ。 - 動物行動学をあつかった専門的な入門書
感情表現や脳の左右差など、動物の行動を科学的に読み解く視点を得る。
さらに進む方向
もっと詳しく:くらべてみる
- 右寄りにふるうれしいなどポジティブな気持ちのときと報告されている
- 左寄りにふるいやだなどネガティブな気持ちのときと報告されている
- 体全体も見る耳・姿勢・口もととあわせて気持ちを読みとることが大切
ことばのメモ
- 感情
- うれしい・こわいなど、心の動き
- 警戒
- あぶなくないか、気をつけて用心すること
- 同調
- たがいのリズムや気持ちがそろうこと
- 共感
- 相手の気持ちを自分のことのように感じること
- 左右差
- 右と左でちがいがあること
よくある質問
犬はどうしてしっぽをふるのですか?
しっぽをふっている犬は、なかよくしたいのですか?
しっぽが右や左に寄るというのは本当ですか?
犬は気持ちを、しっぽ以外でもあらわしますか?
学びのタネ
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家でできること
- 犬に会ったら、しっぽのふり方だけでなく、耳や姿勢もあわせて観察して、どんな気持ちか考えてみよう。
- 犬とネコで、気持ちのあらわし方がどうちがうかをくらべて調べてみよう。
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出典・参考文献
- 東京大学大学院農学生命科学研究科イヌが好きなものを見たときに示す表情の同定 参照 2026-07-04
- 麻布大学イヌはヒトに共感する能力を有している 参照 2026-07-04
出典・正確性ポリシー:詳しく読む
しっぽをふるのは気持ちが動いているサインで、うれしいときだけとはかぎりません。きんちょうやけいかいのときにもふるので、ふり方や体全体のようすを見ることが大切です。