図解
図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)
軽くてさびにくいアルミニウムが、毎日つかうお金に向いているから。
おさいふの中でいちばん軽いお金、一円玉。手にのせて、軽さをたしかめたことはありますか。その素材は、純アルミニウムです。今作られている貨幣(コイン)の中で、アルミニウム製は一円玉だけです。
アルミニウムは、とても軽くて、さびにくく、細かい形を作りやすい金属です。たくさんの人の手からポケットへと渡っていくお金にとって、うれしい性質です。くらべてみると、5円玉や10円玉とは色がちがうことにも気づきます。
一円玉には、数字のひみつもあります。重さはちょうど1グラム、直径は20ミリメートルです。表には「若木」という、のびていく木がえがかれています。何の木というきまりはなく、造幣局は「若木」と表現しています。この図がらは、みんなから集めた案から2つがえらばれました。そして、2つの案が表とうらに1つずつ使われているのです。
今の一円玉が生まれたのは、昭和30年です。それからずっと、同じデザインのまま作られてきました。手のひらの小さな1まいは、半世紀以上変わらない長生きのデザインなのですね。
一円玉は純アルミニウム製で、量目1グラム、直径20ミリメートル。現在製造されている貨幣の中で唯一のアルミ貨だ。図柄の木に具体的な名前はなく、造幣局は「若木」と表現している。今の一円玉が流通を始めたのは昭和30年。図柄は2,500点を超える公募作から2点を選び、それぞれの案を片面ずつ採用するという珍しい経緯で決まった。一円の歴史はさらに古い。明治4年に発行された最初の一円には金貨と銀貨の2種類があり、銀貨には龍の図柄が刻まれていた。戦後の昭和23年には黄銅製の一円貨幣が作られたが、昭和25年に製造が中止され、やがてアルミの現行貨に引き継がれる。製造枚数の最高記録は平成2年の27億6,895万3,000枚。財布の中の小さな1枚には、素材の選択と明治から続く貨幣の歴史が詰まっているのだ。
仕組みの科学
貨幣の素材選びは、金属の性質と使われ方の相性で決まる。一円玉に使われる純アルミニウムは、軽く、さびに強く、加工しやすい金属だ。毎日、無数の手と財布とレジを行き来する貨幣にとって、軽さと変質しにくさは大切な性質である。現在製造されている貨幣を見わたすと、五円は黄銅、十円は青銅、五十円と百円は白銅、五百円はニッケル黄銅・白銅・銅を組み合わせたバイカラー・クラッドと、額面ごとに素材がちがう。色や重さのちがいは、手ざわりで貨幣を区別する手がかりにもなっている。その中で一円玉は、唯一のアルミ貨として、最も軽い1グラムという量目を実現している。製造は素材を溶かすところから始まる。金属を溶かし、圧延という工程で板状にのばし、円形に打ち抜いてから、模様を刻んでいく。ちょうど1グラム・直径20ミリメートルという規格の精密さは、こうした工程の管理に支えられている。手のひらの一円玉は、素材の科学と製造技術の小さな結晶なのだ。
歴史と発見
「一円」の歴史は明治にさかのぼる。明治4年に発行された最初の一円には、金貨と銀貨の2種類があった。金貨は直径13.51ミリメートル、重さ1.67グラムの小さな貨幣で、1.5グラムの金を含んでいた。一方の銀貨は直径37.58ミリメートル、重さ26.96グラムの堂々たる大きさで、龍の図柄が刻まれ、使える場所は5つの開港場に限られていた。明治30年の貨幣法制定で一円銀貨の廃止が決まり、大正3年に製造を終える。戦後の昭和23年には黄銅製の一円貨幣が登場したが、昭和25年に製造中止となった。そして昭和30年、現行のアルミニウム製一円貨幣が流通を始める。図柄は2,500点を超える応募作から2点を選び、それぞれの案を片面ずつ採用した。昭和39年の東京オリンピックの年には製造枚数が大きく増え、平成2年には過去最高の27億6,895万3,000枚を記録する。同じデザインのまま作られ続けてきた一円玉の歩みは、日本の貨幣制度と経済の歴史をそのまま映している。
もう一歩先
一円玉を出発点にすると、お金の制度の仕組みも見えてくる。日本のお金には、貨幣(硬貨)と、日本銀行が発行する日本銀行券(お札)の2系統がある。お札は日本銀行法第46条により、法貨として無制限に通用する。つまり支払いに何枚でも使える。一方、貨幣は通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律第7条により、額面価格の20倍までを限り法貨として通用すると定められている。同じ種類の硬貨での支払いには上限がある、ということだ。この違いは、高額の支払いはお札、少額の調整は硬貨という役割分担を、制度の側から支えている。また、貨幣の製造は造幣局が担い、素材の調達から圧延・打ち抜き・刻印までの工程を管理している。一円玉のように額面の小さな貨幣は、物の値段の端数を埋める縁の下の力持ちだ。キャッシュレスの広がりで現金にふれる機会が変わりつつある今こそ、手の中の1枚がどんな素材で、どんな決まりに支えられているかを知っておく価値がある。
🌱 ためしてみよう!3択クイズ
本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。
Q1. 一円玉の素材は、どれでしょう?
Q2. 一円玉の重さは、どれでしょう?
一円玉の重さ(量目)はちょうど1グラム、直径は20ミリメートルです。きっちりした数字で覚えやすいのが特徴です。おうちの料理用はかりにのせて、本当に1グラムか確かめてみるのも楽しいですよ。
Q3. 一円玉にえがかれている木の名前は?
一円玉の木に、具体的な名前はありません。造幣局は「若木」と表現しています。のびていく若い木のすがたは、公募で選ばれた案から生まれました。表とうらで別の案が使われているのも、おもしろいところです。
👤 大人のちょっとした雑学
最初の一円は金貨と銀貨
明治4年に発行された最初の一円には金貨と銀貨があった。銀貨は直径37.58ミリメートルの大型で龍の図柄が刻まれ、使える場所は5つの開港場に限られていた。今の1グラムの一円玉との落差が面白い。
表と裏は別の応募案
現行一円玉の図柄は、2,500点を超える公募から2点を選び、それぞれの案を片面ずつ採用して生まれた。1枚の貨幣の表と裏が別々の応募案という、貨幣デザインとしては珍しい成り立ちを持つ。
一円玉のピークは平成2年
一円玉の製造枚数の最高記録は平成2年の27億6,895万3,000枚。昭和39年の東京オリンピックの年にも製造が大きく増えた。小さな貨幣の製造量は、世の中のお金の使われ方を映す鏡でもある。
🔬 とことん深掘り:読書ガイド
読み順ガイド(やさしい→専門)
- 貨幣の日本史(東野治之)
古代から近代まで、日本の貨幣史の全体像を最初につかむのに向いた定番の通史。 - 円の誕生(三上隆三)
「円」という単位の成立と明治の幣制改革を、制度の内側から深く理解する段階で。 - 日本の貨幣の歴史(滝沢武雄)
制度と製造の実務まで踏み込んだ専門的な一冊。資料に即して確認したいときに。
さらに進む方向
もっと詳しく:歴史と時系列
- 明治4年最初の一円が発行される(金貨と銀貨の2種類)
- 明治30年貨幣法の制定により一円銀貨などの廃止が決まる
- 大正3年一円銀貨の製造が終わる
- 昭和23年黄銅製の一円貨幣の製造が始まる
- 昭和25年黄銅製一円貨幣の製造が中止される
- 昭和30年現行のアルミニウム製一円貨幣が流通を始める
- 平成2年製造枚数が過去最高の27億6,895万3,000枚を記録する
ことばのメモ
- 純アルミニウム
- まじりけのないアルミ金属
- 量目
- 貨幣の重さのこと
- 圧延
- 金属を板状にのばす加工
- 法貨
- 法律で支払いに使えるお金
- 若木
- 一円玉にえがかれた若い木
よくある質問
一円玉の重さと大きさは?
一円玉にえがかれた木は、何の木?
今の一円玉は、いつから作られているの?
一円玉は、何枚でも支払いに使えるの?
学びのタネ
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家でできること
- おうちの一円玉を料理用はかりにのせて、本当に1グラムか確かめてみよう。10枚なら10グラムになるかな。
- 一円・五円・十円・百円をならべて色をくらべ、それぞれちがう金属が使われている理由を考えてみよう。
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出典・参考文献
- 造幣局現在製造している貨幣 参照 2026-08-15
- 造幣局1円の歴史(学芸員 澤﨑 瞳) 参照 2026-08-15
- 造幣局貨幣Q&A 参照 2026-08-15
- 造幣局貨幣の製造工程 参照 2026-08-15
- 日本銀行銀行券(お札)と貨幣(硬貨) 参照 2026-08-15
- 日本銀行個人の買い物や企業間の売買などの支払いにおいて、お札や硬貨は何枚でも使うことができますか? 参照 2026-08-15
出典・正確性ポリシー:詳しく読む
一円玉は純アルミニウムでできています。アルミニウムは軽くてさびにくく、細かい形も作りやすい金属です。今作られている貨幣の中で、アルミニウム製は一円玉だけという、ちょっと特別な1まいなのです。手にのせると、その軽さがよくわかりますよ。