図解
図解:問いを6ステップで読みとく流れ(自動生成)
鳴くのはオスだけ。おなかの膜をふるわせてメスを呼ぶから。
夏の朝、木のえだから聞こえてくる「ジージー」「ミーンミーン」の合唱。あれはぜんぶセミの声です。国立国会図書館のレファレンス協同データベースには、「鳴くセミはオスだけ」とはっきりのっています。メスはほとんど声を出さないんですよ。
セミの声は、口ではなく腹の中にある「発音器官」から出ます。オスのおなかの中には、うすくて丈夫な「発音まく」という小さな板があります。その板を、Vの字のような形をした「発音きん」がすばやく動かして、細かくふるわせるのです。
そのふるえは、おなかの中のからっぽの空間で大きくひびきます。人でいうと、ギターの弦がひびく板の中で音を大きくするのに似ています。おなかの横についているふたのような部分(腹弁)を開いたりとじたりして、音の質を細かくととのえることもできます。
では、なぜオスは一生けん命に鳴くのでしょう? いちばんの理由は、メスに「ここにぼくがいるよ」と知らせるためです。だから種類によって鳴き声のパターンがちがい、聞くだけで種類がわかるんです。アブラゼミの「ジー」、ミンミンゼミの「ミーンミーン」、ツクツクボウシの「ツクツクボーシ」。夏休みに公園でセミの声を聞き比べたら、それだけで立派な自由研究になりますね。
セミの発音は、腹部に格納された精巧な楽器で行われる。国立国会図書館のレファレンス協同データベースによれば、鳴くのはオスのみで、腹部の背中側にある発音膜(背弁)を、V字形の発音筋が高速で収縮・弛緩させ振動させる。この振動は腹部の共鳴腔(空洞)で増幅され、腹弁と呼ばれる腹側のふたで音色や音量が調整される。共鳴腔の形と体格、発音筋の収縮パターンが種によって異なるため、アブラゼミ・ミンミンゼミ・ツクツクボウシ・ヒグラシなどが聞き分け可能な独自の鳴き声を持つ。鳴き声の主目的はメスへの求愛と配偶者呼び寄せで、集団で鳴く行動には音源分散による捕食者回避や、鳴き声のマスキングによる異性への訴求強化などの説がある。夜に鳴くセミの増加は都市化に伴う街灯や騒音、気温上昇との関連が近年の研究テーマになっている。
仕組みの科学
セミの発音は昆虫の中でも屈指の精巧なシステムだ。オスの腹部の第一腹節付近には、背中側の左右に発音膜(英語でtymbal、日本語では背弁とも訳される)と呼ばれる薄い板状の外骨格が張られている。この膜のすぐ内側にV字形の発音筋があり、高速で収縮・弛緩する。筋肉が縮むと発音膜が凹み、弛むと膜が跳ね返って元に戻る。この繰り返しがクリック音を生み、大型種では毎秒100〜数百回のクリックが連なって連続音として聞こえる。腹部内部は大きな空洞(共鳴腔)で、この気室が共鳴器として音を増幅する。さらに腹側の腹弁が音色や指向性を調整し、種ごとに独特の鳴き声を作る。国立国会図書館レファレンス協同データベースによれば、セミの種類による鳴き声の違いは、共鳴腔の大きさや腹弁の動き、発音筋の収縮周期の違いに由来する。人間の楽器で言えば、太鼓の膜と共鳴胴と口の形の全部を組み合わせたような構造で、体長数センチの昆虫が数十メートル先まで届く大音量を出せる理由がここにある。
歴史と発見
セミの鳴き声は古来から人の心をひきつけ、詩歌や絵画の題材になってきた。『万葉集』にはヒグラシの鳴く夕暮れを詠んだ和歌が残り、松尾芭蕉の『閑さや岩にしみ入る蝉の声』は日本文学の代表的な蝉句として知られる。ヨーロッパでもラ・フォンテーヌの寓話『蟬とアリ』などにセミが登場し、鳴き声は世界各地の文学的アイコンになっている。生物学的な発音機構の研究は十九世紀の昆虫学の発展とともに進み、二十世紀の高速度カメラと音響解析技術によって、発音膜の運動と鳴き声の周波数構造が精密に解明された。国立国会図書館レファレンス協同データベースには、鳴き方の種差・夜鳴きの記録・鳴き声の大きさに関する市民からの問い合わせと調査回答が多数集積されている。都市部での夜鳴きセミが増えていることは複数の記録で言及されており、街灯や気温、騒音環境の影響が研究の関心を集めている。江戸期の俳人が愛でた蝉時雨は、いま都市生態学と音響生態学のフィールド研究対象になっている。文学と科学の両面から見つめられる昆虫は、そう多くない。
もう一歩先
セミの鳴き声研究はいくつもの学術分野の交差点にある。音響生態学は、複数種のセミが同じ時間帯・同じ木で鳴くとき、周波数や時間帯を巧妙にずらして「音の分業」をしている現象を分析している。動物行動学ではメスの選好性と鳴き声の関係、集団鳴きの適応的意義(音源分散仮説・スピーカー効果仮説など)が議論されている。近年注目されるのは都市化と気候変動の影響だ。都市部では街灯の光や気温の上昇でセミの活動時間帯が変化し、夜間の鳴き声が増加する傾向が報告されている。国立国会図書館レファレンス協同データベースでも夜鳴きセミに関する市民の関心が反映され、複数の調査事例が集積されている。テクノロジー面では、AIによる鳴き声自動分類がスマホアプリで手軽にできるようになり、市民科学(シチズンサイエンス)として全国のセミ分布データの収集が進みつつある。文化面では、俳句・和歌・映画音響でセミの声が日本の夏を象徴する音風景として位置づけられ、無形文化的な価値も再評価されている。腹部の小さな楽器が奏でる音は、生物学・生態学・工学・文化史をつなぐ研究テーマなのだ。次に公園でセミの合唱を聞いたら、種ごとの音色や時間帯の違いに耳を澄ませてみてほしい。
🌱 ためしてみよう!3択クイズ
本文をよんでこたえてみよう。タップでせいかいがでるよ。
Q1. セミの中で鳴くのはどちらでしょう?
Q2. セミの声はどこから出ているでしょう?
セミの声はオスの腹部にある発音膜という小さな板から出ています。V字形の発音筋がふるわせ、おなかの中の空洞で音が大きくなって、遠くまで聞こえるのです。
Q3. セミの種類ごとに鳴き声がちがうのはなぜでしょう?
腹の中の共鳴腔の大きさや腹弁の動き、発音筋のリズムが種類ごとに異なるため、鳴き声が種類ごとに聞き分けられるパターンになります。同じ夏でも公園で聞き比べると違いがよくわかります。
👤 大人のちょっとした雑学
セミの合唱は「時間帯の分業」
音響生態学の研究によれば、同じ場所で複数種のセミが鳴くとき、時間帯や周波数を巧妙にずらして音の重なりを避けている。ヒグラシは夕暮れ、クマゼミは午前、アブラゼミは終日、といった具合だ。
V字の筋肉が数百回/秒
セミの発音筋は毎秒数百回のオーダーで収縮・弛緩する高速筋。体長数センチの昆虫が数十メートル先まで届く大音量を出せる背景には、この超高速筋と共鳴腔の絶妙な組み合わせがある。
夜鳴きセミは都市化のサイン
国立国会図書館レファレンス協同データベースには、街灯や夜の気温上昇で夜間に鳴くセミが増えているという調査事例が集まっている。セミの声は都市生態学の重要なデータ源になりつつある。
🔬 とことん深掘り:読書ガイド
読み順ガイド(やさしい→専門)
- セミの図鑑(子ども向け)
日本のセミ種を鳴き声・体長・分布で整理し、種ごとの違いを実感する土台になる。 - 昆虫の音響コミュニケーションの一般向け書
発音機構と行動の関係、集団鳴きの適応的意義を筋道立てて理解できる。 - 音響生態学・動物行動学の大学教科書
音源定位・周波数分離・シグナル進化を定量的に扱い、セミ研究の理論的基礎を固める。
さらに進む方向
もっと詳しく:くらべてみる
- アブラゼミジー…ジリジリ…と揚げ物のような連続音
- ミンミンゼミミーンミンミンミー…の明るい高音
- クマゼミシャワシャワシャワ…の大きな鋭い音
- ツクツクボウシツクツクボーシ…の変化するリズム
- ヒグラシカナカナカナ…の澄んだ高音(夕方や朝)
ことばのメモ
- 発音膜
- セミのおなかにある音を出す小さな板
- 発音筋
- 発音膜をふるわせるVの字型の筋肉
- 共鳴腔
- 音を大きくひびかせるおなかの空洞
- 腹弁
- 音を調整する腹側のふた
- 音響生態学
- 生き物の音を調べる学問
よくある質問
鳴くのはオスとメスのどちらですか?
セミの声はどこから出ているのですか?
セミの種類ごとに鳴き声がちがうのはなぜですか?
セミはなぜ夜も鳴くことがあるのですか?
学びのタネ
この問いに関連する本・実験・サービスのご紹介です。
家でできること
- 公園でセミの声を録音し、種類ごとにパターンを書き起こしてみよう。
- アブラゼミとミンミンゼミの鳴き声を並べて聞き比べ、リズムの違いを表にまとめよう。
- セミが集まっている木の下で時間帯を記録し、朝・昼・夕でどの種類が多いか調べよう。
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出典・参考文献
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベースセミのうち鳴くのはオスかメスか 参照 2026-07-17
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベースセミはどうして種類によって鳴き方が違うのか 参照 2026-07-17
- 国立国会図書館 レファレンス協同データベースセミは夜も鳴くのか知りたい 参照 2026-07-17
出典・正確性ポリシー:詳しく読む
国立国会図書館のレファレンス協同データベースには、鳴くのはオスだけで、メスはほとんど声を出さないと明記されています。オスは主にメスへの求愛のために鳴きます。